つかまえる気など毛頭ない鬼ごっこは いつしか荒んだ仕事のなかのわずかなやすらぎに変わっていた それはたぶん、彼女も同じ。 だからこの行為に終わりがくることも変化することも 心の隅でかたくなに拒んでいた 君が成長していくことでそれが否応なく訪れることを感じてはいたけれど 初めて会ったときとかわらない仕草で微笑む君を この教会に永遠に留めておきたかった 矛盾した感情は彼女への思いにわずかなひずみを生じさせた 素直になることがどれだけ難しい事か、今さらにして痛感する 彼女のように笑う事がどれほど難しい事か、今さらにして痛感する 瞳を開いたときそこは病院で かけよってきたイリーナが泣きついてきた 視線を泳がせればそこには見慣れた部下たちが ためいきをつきたそうな苦笑いでこちらを見る どうだ? 君がいないこの世界でも わたしは昔と同じようにこの教会を訪れる 君がいなくなったこの世界でも 朝日は変わらず昇るんだ 知っていたか? 君はまた微笑む 生きていることそれ自体が幸せであったとでも言うかのように 教会の花は荒れながら 以前より増して力強く咲く 今度はジョウロとスコップを持ってこよう タークスはもう存在しないけれどスーツを着て 君にまた出会えるような気がするから ← |